バンコク庶民のもう一つの足、センセープ運河ボート
かつてベニスと並ぶ水の都と謳われたバンコクには、運河が縦横にはり巡らされていたそうです。時は流れ、バンコクの近代化・都市化が進むとともに、かつての運河は次々に埋め立てられ、道路へと形を変えています。
運河を縦横に行き来するボートも、規模が縮小してしまいました。現在、バンコク中心部では、プラトゥーナム桟橋を基点に、センセープ運河を東西に走る2航路のみが運航しています。
そのセンセープ運河も路線を縮小していますが、それでも10バーツほどの船賃で東西移動が自由自在。今でも、残り少なくなった運河ボートとして、バンコク市民の足として日常的に利用されています。
その分、一般の観光客はあまり利用しませんが、その便利さを知ると「なんだ! こんな便利な行き方があったのか!」と、ちょっと目から鱗です。
まだ、タイを数回しか訪れていなかったころ、すでにバンコク在住数年という日本人に、この運河ボートの航路を教えて貰った時は、びっくりしましたものです。
なにしろ、運河なら殺人的な交通渋滞とは全く無縁! 運河上をスイスイと目的地まで移動できます。しかも、どちらの航路も料金は約10バーツです!
土・日曜も含めて毎日、運行しており、営業時間は両航路とも05:30~20:30が目安です。
良いこと尽くめの運河ボートですが、ちょっと難儀するのが、濁った泥水のしぶきを浴びることもあることでしょうか (^_^;
一応、運河を疾走する運河ボートの左右には、水しぶき避けのブルーのビニールシートを付けています……。
上手に活用したいものですが、最初は、慣れた人と一緒に乗船トライするのがお勧めです。
センセーブ運河プラトゥナム桟橋の様子
プラトゥーナムを基点に西に延びる航路
プラトゥーナムを基点に西側に延びる航路は、「ジムトンプソンの家」近くのも近くのサパーンチャーン桟橋(スカイトレインBTSのラチャタウィー駅そば)を経由。そして、「黄金の丘」と呼ばれる観光名所の一つ、ワット・サケットも近く、王宮方面へのアクセスも抜群のパンファー桟橋まで行きます。
パンファー桟橋の近くには、バンコク市内を一望のもとに見渡せるワットサケット、あるいはラマ3世記念公園、トムリック宮殿などが徒歩で歩ける圏内にあります。
ちょっとタクシーを走らせれば、民主記念塔方面にもアクセス。渋滞なしに王宮周辺へとアクセスできます。
プラトゥーナムを基点に東に延びる航路
一方、プラトゥーナムを基点に東方向に延びる航路は、ニューペチャプリ通りに沿うようにして平行に進みます。 ソイチットロム、ウィッタユ通り、スクンビット通りソイ3、スクンビット通りソイ21、スクンビット通りソイトンロー(ソイ55)など、主要道路と交わる桟橋を経由します。
さらにソイ・プラカノンの手前を左折して東上し、今度はラムカムヘン通りに沿って進みながら地元の大型デパートであるザ・モールのラムカムヘン店、ラムカムヘン大学、ザ・モールバンカピ店を経由して、ローカル色漂う住宅地域のミンブリーへ。
ラムカムヘンからバンカピにかけては、まさにタイ庶民の街。運河沿いに見える普通の人々の生活風景は、シーロムやスクンビットとは全く異なり、見ていて飽きません!
つまり、ラムカムヘンやバンカピから見れば、バンコクの中心街へ渋滞フリーでたどり着く最短ルートとして大いに利用されています。
旅行者にとっては、例えば、伊勢丹デパートやプラトゥナーム周辺でショッピングを楽しんだ後、それからの行き先によっては、BTSを乗り継ぐよりも、はるかに手軽に目的地に到着できることがあります。
2012年12月5日からは、運河の路線が延長されることがアナウンスされています。現在、バン・カピにあるワット・スリ・ブンルアンまで運行しているボート路線は、さらに11キロメートル先のミンブリーの役所まで伸びて、9か所の船着場が追加されるそうです。