出始めているバンコク非常事態宣言の影響
タイ政府は2014年1月21日(火)の夕方、バンコクに非常事態宣言を発動しました。期間は1月22日(水)から60日間で、対象地域はバンコク及びノンタブリ県の全域と一部隣接県です。
「非常事態宣言」のもとでは、夜間の外出禁止や集会の制限、さらに逮捕状なしに、市民の身柄を拘束できる権限が治安機関に与えられますが、現時点では(1月23日午前)、目立った動きは見られません。
反政府デモ隊は、今も主要道路を封鎖している一方、いつもと変わらない様子で、ビジネスマンは出勤し、お店も普通に営業しています。
バンコクで非常事態宣言が発令されたのは、2010年の時以来のことで、当時は治安部隊がデモ隊の強制排除に乗り出し、90人を超える死者が出ています。
タイ政府は1月22日(水)、各国の大使らを集めた会議で「強権発動は事態を悪化させると判断。不審者の逮捕、武器の押収、建物の捜索などに限り、集会禁止やメディア検閲などはしない。軍の出動はまだ必要ない」と説明しています。
また、スラポン外相らは1月22日の午後、テレビを通じて「市民はふだんの活動ができるし、集会もできる」という声明を発表しています。
2010年のような混乱にはしない、という姿勢を打ち出していますが、今回の非常事態宣言は、一連の動くが新たな段階に入ったと言えます。
既に一部の旅行会社では、バンコクに向かうツアーでキャンセルが相次ぐなど、観光への影響も懸念されています。
首都封鎖大規模デモの拠点の一つであるラチャプラソン交差点近くにあるバンコク・セントラルワールドでは、2014年2月5日~9日の期間、「バンコク・モーターバイク・フェスティバル2014」の開催が予定されていましたが、反政府デモの影響から開催時期を7月2日~6日に変更する、などの影響が出始めています。