懸念される、2014年1月13日(月)からのバンコク都閉鎖による影響
2014年1月6日(月)、民主記念塔等を拠点に抗議活動を続けている反政府勢力は、1月13日(月)以降、バンコク都内の主要な道路・地点で大規模な抗議行動・集会等を行い、バンコク都内を閉鎖(Shutdown)すると発表しています。
反政府勢力は1月13日(月)から1週間以上にわたって数十万人を動員し、バンコク市内の最大20カ所の交差点を封鎖して、インラック首相の退陣と各界代表による人民議会への権力移譲を求めて圧力を強める構えです。
既に反政府抗議行動は約2カ月にも及んでいますが、さすがに今回の大規模な抗議活動は、タイの観光業界にも影響を及ぼす恐れがあります。
2006年のインラック首相の兄であるタクシン首相(当時)がクーデターによる追放、あるいは2010年に治安部隊とデモ隊が衝突し90人以上の死者が出た時も、タイの観光業界にさほど暗い影は及ぼしていません。
過去数年にわたってタイの観光業界は好調をキープし続けてきましたが、今回の大規模な抗議活動、“バンコク封鎖”は、外国人観光客のバンコク離れを促す懸念が広がりつつあります。
ホテル協会は、「2014年第1四半期(1~3月期)のバンコクのホテルの客室稼働率は70〜75%」、通常の80%から落ち込む見通しを示していることが伝えられています。
また、昨年1〜11月にバンコクを訪れた外国人観光客は前年同期比20%超の増加だったことに対して、2013年12月第1週にバンコク国際空港から入国した旅行客数は、前年同期比15%の減少を見せています。
今後の見通しとして、デモ隊の暴徒化、あるいはバンコクの空港が占拠という事態になれば、観光以外の産業にも影響を及ぼすことが不安視されています。
タイ商工会議所大学によると、今回の大規模な抗議行動がタイ経済に及ぼす被害は、200億バーツ(約640億円)に達する見通しとしています。
また、タイの金融市場も事態の悪化を受けて低迷。タイバーツの対ドル相場は1月3日、1ドル=33バーツと3年ぶりの安値に落ち込んでいます。
なお、在タイ日本国大使館は2014年1月7日(日)、「1月8日のデモの呼び掛け及び13日以降の反政府勢力によるバンコク都内の閉鎖(Shutdown)」について、~大使館からのお知らせ~を出しています。以下の通りです。
1月8日のデモの呼び掛け及び13日以降の反政府勢力によるバンコク都内の閉鎖(Shutdown)~大使館からのお知らせ~
1. 6日(月),反政府勢力は,1月13日(月)以降バンコク都を閉鎖(Shutdown)するとして,同日午前9時から,アソーク交差点,ラチャプラソン交差点,戦勝記念塔等バンコク都内合計7ヶ所にステージを設けて,活動拠点(別添)とする旨の声明を発表しています。
2. また,同勢力は,8日(水)午前11時30分から午後1時30分までの間(予定),BTSアソーク駅前で13日のデモへの参加を呼び掛けるための集会を行う予定です。
3. 活動拠点付近では,激しい交通渋滞が予想されますので,お出掛けの方は十分ご注意下さい。また,不測の事態の可能性も全く無い訳ではないので,今後とも報道等を通じて,最新情報の入手に努めるとともに,お出掛けの際には,活動拠点,抗議行動,デモ集会等の予定されている地域の周辺には,出来るだけ近づかない等,自らの安全確保に十分注意して下さい。
問い合わせ先
- 外務省領事サービスセンター
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在タイ日本国大使館領事部:
電話:(66-2)207-8502、696-3002
FAX :(66-2)207-8511